赫の守護〜無自覚溺愛吸血鬼〜
「……ここ、何処?」

呟く様に小さな声だったが、アンジーには聞こえたらしい。

弾かれた様にこちらを向き、小さくため息をついた。


「ああ、ほら起きてしまったじゃない」

「キサラ様!」

アンジーの言葉で、キサラが気付いた事を知ったクルスが慌てて駆け寄って来る。

「すみません。早くアンジーと会って貰いたくて、気絶しているのに連れて来てしまいました。キサラ様の意思も関係無く……。本当にすみませんっ!」

必死に謝って来るクルスに、キサラは怒る気にもなれなくなった。

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