赫の守護〜無自覚溺愛吸血鬼〜
「でも、会えなくなるのは駄目。ただ、会えれば良いだけなの」

思ったよりも冷たい指が首筋に当たり体が強張る。


「なのに貴女が居ればあの方は私の所になど来なくなる。私は会えればそれだけで良いのに! だから、貴女には遠くへ行って欲しいのよ!」

冷たい指が絡みついたかと思うと、すぐに首が締め付けられた。

逃げる様に後退すると、何かにつまづいて後ろに転んでしまう。

アンジーもそのまま倒れ込み、キサラは逃げられない状態で首を締め付けられた。


強く締め付ける彼女の手から、憎しみが伝わって来るようだった。
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