赫の守護〜無自覚溺愛吸血鬼〜
「アンジー! 止めろっ!」

クルスが止めに入る。

アンジーを後ろから羽交い締めにし、キサラから離した。


急激に酸素が入って来て、キサラは軽く膝をつきながらむせる。

そうしている間もアンジーは暴れていた。


「離して! この子さえ、この子さえいなければ!」

「ダメだ、アンジー! キサラ様、逃げて下さい!」

クルスの叫びに、キサラは弾かれる様に走り出した。

まだ呼吸がままならないのでまともには走れなかったが、何とか立って足をすすめる。
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