赫の守護〜無自覚溺愛吸血鬼〜
キサラを不安が襲う。

立ち止まって振り返りたい気持ちを何とか抑え、ひたすら走る。


二人がどうなったのかは分からないが、もしクルスに何かあってアンジーが追いかけて来ているとしたら止まっている暇は無い。


何処をどう行けば城に帰れるのか分からない。

暗くて道もよく見えず、いつの間にか獣道に入ってしまったらしい。


枝がドレスを少しずつ裂き、皮膚に小さな傷を作る。

それでも構わず走り続けていた。


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