赫の守護〜無自覚溺愛吸血鬼〜
ノックもせずに入って来た男に何かしらの文句が返って来るものだと思った。

だが、部屋の中はシンとしている。


気配を辿ると寝台が目に入った。

そっと近付くと、静かな寝息が聞こえる。


「……」

今までと全く違う場所に来たはずなのに、ベッドの上で安らかに眠っているとは……。

この娘はかなり図太い性格をしているらしい。
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