赫の守護〜無自覚溺愛吸血鬼〜
呆れるジルだったが、これがセラの性格で一番分かりやすい所なのである意味安心した。


「そうですか。……では、昔伯爵家の娘に懸想した吸血鬼を手助けしたのは何故ですか?」

ついでにと思い、もう一つずっと疑問に思っていた事を聞いて見た。

「あのときは確か子供が産まれるのを見届けてすら居なかったはずですが?」


その質問にセラは視線だけジルに向け答える。

「あのときは本当にただの気まぐれでしたから。傲慢な吸血鬼が珍しいことをするものだな、と思いまして」


「そうですか」とジルが納得すると、セラは無表情な顔のまま頬に軽く手を当てため息をついた。
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