赫の守護〜無自覚溺愛吸血鬼〜
「どうしたキサラ? 食が進んでいないじゃないか。口に合わなかったか?」

母親であるメルリナの話をまるっきり聞いていないかの様に、ジュークはキサラばかりを気にしていた。


「え? い、いえ。そんな事は無いです。とても美味しいですよ」

メルリナを完全無視するジュークに戸惑いながらも、キサラはそう答え料理を一口パクリ。


「ん?」

すると何かに気付いたジュークがクスリと笑った。


「口元にソースがついているぞ?」

「えっ?」

気を付けて食べたつもりだったが、どうやら失敗してしまったらしい。
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