赫の守護〜無自覚溺愛吸血鬼〜
死んでも悲しむ親族など居ない身ではあるが、やはり死にたくは無かった。


(やっぱり、どうにかして逃げられないかしら?)

逃げるなら今しか無い。

そう思ってドアに手を掛けるが、そこで止まってしまう。


逃げられる自信は皆無。

きっと、今ドアを開けて外に出ても転がり落ちて一張羅のドレスが泥だらけになるだけ。
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