赫の守護〜無自覚溺愛吸血鬼〜
「はい。村にはたまに神父様がいらっしゃるんです。あたしの境遇を知って哀れに思って下さって、本を読める様にと教えて下さいました」

とは言え、自力で読めるようになったら本だけミラおばさんに預け本人は訪れなくなったが。


(当然よね。むしろあたしが字を覚えるまでの間、よく懲りずに来てくれたものだわ)

自分に会いに来た日には、必ず帰り道でぬかるみに足を取られて転ぶし、酷いときには馬にかじられたとか。

まあ、そのときは服を噛み裂かれた位で済んだらしいが。
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