赫の守護〜無自覚溺愛吸血鬼〜
(まさか役に立つ日が来るとは思わなかったなぁ)

人生何が起こるか分からないものだ。


「境遇って、貴女村ではどんな暮らしをしていたの?」

その言葉に、キサラは平然と今までの不運人生を語った。


自分ではもう諦めにも近い感情なのでどうとも思わなかったが、メルリナはどんどん表情を曇らせて行く。

終いには目が潤んで来ていた。


「そんな思いをしていたのね……。ごめんなさい、ジュークの所為で……」

「え?」
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