赫の守護〜無自覚溺愛吸血鬼〜
「あ、も、申し訳ありません!」


メイドの謝罪の声。

そして頭から滴り落ちる赤い液体。

アルコールの匂い。


どうやらワインの追加を運んで来たメイドが、手を滑らせてキサラの頭にぶちまけてしまったらしい。


昼寝で乱れた髪をセラが直してくれたが、これでまた乱れてしまった。

それにしても。


(肝心なときにこうなんだから)

キサラはいつもの様に自分の不運を呪い小さくため息をついた。
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