赫の守護〜無自覚溺愛吸血鬼〜
しかも下手をすると馬の糞まで身に纏うことになる。

そして滑って頭を馬車にぶつけて気絶して、泥だらけ糞だらけの状態でマクスウェル伯爵の屋敷に入ることになるだろう。


それは妄想でも何でもなくて、確実性のある予測。

そんな予測が出来るほど、キサラの不運は筋金入りだった。


「あたしって、本当についてない……」

溜息をついたキサラは、結局また大人しく落ち着かない馬車の中に座った。
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