赫の守護〜無自覚溺愛吸血鬼〜
第一章 吸血鬼伯爵
 

始まりは、一通の手紙だった。

真っ白な封筒に、赤い蝋《ろう》の押し印。

その印章はこの地を治めるマクスウェル家のもの。


それを見た瞬間、キサラは眉を寄せた。

宛先を確かめて更に寄せる。


宛先は間違いなく自分。

でもマクスウェル家から手紙をいただく様な事など何も無い。
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