赫の守護〜無自覚溺愛吸血鬼〜
ジュークはいつもの様に足早に娼館を出ると、待機させておいた馬車に乗り込む。

仕事も溜まっているし、どちらにしろ早く帰らなければなかった。


馬車が動き出すと、ジュークは物思いに耽《ふけ》る。

仕事の事など、考えることは他にも沢山あるはずなのだが、頭の中を占拠したのはキサラの事だった。


先程の妖艶な女と比べると随分と質素な娘。

胸はあるのだろうが、恐らくコルセットでもしなければ目立たせることは出来ない程貧相。
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