嬌声フェロエヴト

「っ、ぁああ―――――!」


 マイクを通して伝わる限界ぎりぎりの亨くんの声。

 裏返りそうで、だけどどうにか堪えようと必死になっていて。

 掠れた高音がわたしのナカを引っ掻いて、身体の芯がかあああっと熱く疼いた。

 なんともいえない快楽の波がわたしを襲う。

 ぞくぞくして震えそうになる肩を抱きながら……恐る恐る、視線を持ち上げた。

 至近距離にある亨くんの整った顔。

 だけど今は、普段の冷静な面影をすっかりなくしていて。

 息苦しそうに寄せた眉根、何かに耐えるようきつく瞑った瞳、恥ずかしそうに紅潮した頬、今にも泣きそうに震えた声。

 もっともっと泣かせたくなって、もっともっと苦しませたくなって。


「―――ああもう、たまんない」


 ぱちん、理性が爆ぜた。



 ...fin.
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