もっと深く
もっと深く
ああ、また、深くなる。
私を捉えたまま離さない、あなたの鋭い視線に翻弄される。
目を合わせると、何もかも見透かされてしまいそうで、怖い。
「何故、目をそらす?」
「……」
答えられない私を睨むあなた。
またさらに深く入り込む様子をまざまざと見せつけられる。
あなたに対する罪悪感と畏敬の念。
羞恥心と好奇心。
劣情と愛情。
様々な感情がごちゃまぜになっていることを悟られたくなくて、目を伏せた。
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