もっと深く
 

有無を言わさず助手席に乗せられる。


「どこへ行くのですか?」


「お前次第。

何か俺に言いたいことがあるんだろう?」


まっすぐ前を見て運転中のあなた。

これなら、緊張せずに話せるかも知れない。


「なぜいつも私だけを睨むのですか?」


「睨んでるように見えたか。

いや、睨むつもりはないんだが、そうでもしていないと……」


いつも歯切れのいいあなたの言葉が、一瞬しどろもどろになり。


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