もっと深く
「お前を部下として見ていないことがバレるだろ?」
「それはどういう……?」
「だから、俺がお前を占有したいっていう事だ! 早く気付けよ!」
ああ、また、深くなる。
やっと解った。
あなたの眉間の皺の深さは、私への愛情の深さだった事が。
怖いけど惹かれる、この苦悩のラインは愛の証。
「ここまで言わせたからには、従ってもらう。
行き先は、俺の家」
頷く私を見て、あなたの眉間の皺が消えた。
少し残念。
でもこれからは、違うものを刻んであげる。
笑い皺という、幸福の証を。