私と彼の日課
彼に触ると落ち着くの
仕事が終わって帰ると、何時も出迎えてくれる彼がいる。

「ただいまー」

返事はない。でもこれが当たり前。
靴を脱ぎ、すぐさま彼の元へと歩いて行く。
そこで待っていたのは一生懸命に、
まるで千切れてしまいそうなくらいに尻尾を振って喜ぶ“彼”がいた。
クリーム色の毛並みが綺麗なミニチュアダックスフントの男の子。
会社の先輩の所で生まれた子犬を引き取ると言う形で、この家にやって来た。
今年で1歳を迎える、そんな彼の名前は“ハル”。やって来たのが春だったから。

「はいはい、着替えるから待っていてね」

出して出してとはしゃぐハルを尻目に、すぐに服を着替えて。
やっとケージから出してあげると、私の元にすぐにやって来る。

「もう、ハルってば良い子だねー」

沢山頭を撫でまわし、べったり構う。これが帰宅後の私とハルの日課。
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