君の声がききたい
数メートル先から、ハルちゃんが俺たちに手を振った時から、

ハルちゃんの隣に男がいたのは気づいていた。


今紹介があった、そのハルちゃんの彼氏は、自分の名前を言うと…俺に軽く頭を下げた。




「どうも」

「こちら沙和の友達の奏くんだよー」


ハルちゃんが、俺を彼氏に紹介し始める。




「ああ、例の沙和の未来の彼氏だろ??」

「そうそう!例の“奏くん”」

――『なんだよ沙和。こんなイケメン捕まえて、やったじゃん♪』




ハルちゃんの彼氏が、沙和に手話で話しかけた。

沙和は、ハルちゃんの彼氏の腕を軽く叩く。



こいつも、手話できるんだ……



「隼人はね。私の幼なじみで…保育園から高校まで一緒なの。だから隼人は、沙和とも長い付き合いなんだよね」

「あ、そっか」


沙和とハルちゃんは、小学校から一緒って言ってたもんな。

だからハルちゃんと彼氏(隼人)が幼なじみってことは、沙和とも長い付き合いってわけか。





「んじゃ、さっそく行こうか〜」


ハルちゃんが、張り切った感じで水族館を指差した。

俺たちは水族館に向かって、並んで歩き出した…













「うわぁ…きれい」

「すごいな」
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