君の声がききたい
なんか…俺が泣かしてるみたいだな・・

いや、俺が泣かしたのか(汗)?


キョロキョロと辺りを見渡して見ると、とりあえず人の気配はなかった。


俺はとりあえず沙和を、マンションの下の隅に座らせた。




「………」


沙和は時々鼻をすすったり、涙を拭いたりしているだけで…なにも言わない。

俺は沙和の隣に腰掛け、自分の着ていたシャツを沙和の肩に羽織らせた。




泣くほど思いつめてたなんて…

全然知らなかったな。



あの約束をしてから、ちょっと時間が空いて・・

沙和の気持ちが固まったのかな…


俺は手話覚えんのに夢中で…

沙和のことほったらかしてたし・・・


カッコつけて、

“しばらく会わない”とか言っちまったし…






『サイテー』


と、ハルちゃんが言ったような気がした(汗)






トン


沙和の肩を叩く。


沙和が俺の方を向くと、目が赤くなっていた…




――『あの…ごめん。俺‥自分のことばっか考えてて……沙和のこと考えてなかった…』

「・・・」


俺の言葉に…沙和は首を横に振る。



――『…で。俺的には・・手話完璧に覚えたら、お前にもう一回告ろうと思ってたんだけど…そんなドラマみたいなうまい話は、現実には難しいみたいなので……(汗)』
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