君の声がききたい
部屋に入るなり…沙和に駆け寄って来る二匹の小型犬。



――『モカとココアだよ♪』


二匹の犬を抱きかかえ、俺に見せる沙和。





――『ダックスフンド?』

――『そう!ミニチュアダックスフンド!』

――『ふうん。足短けぇな(笑)』


俺は、沙和が抱いている二匹のうちの一匹を抱いた。



――『コイツが…(?)』

――『ココア。毛の色が焦げ茶色の方がココアで、こっちがモカ』

――『なるほど』


沙和が抱いてる、ベージュの毛色がモカね。



――『ちなみに二匹ともメスだから』

――『…男は俺ひとりか(汗)』


俺がそう言うと、沙和はクスクスと笑い、モカを下へおろす。



――『あがって〜今コーヒーいれるから』

「うん…」


俺もココアをおろし、玄関で靴を脱いで部屋にあがった。







「………広」


沙和に通されたリビングは、想像していたよりも広く…きれいだ。


こんな広い部屋に一人暮らしかよ。

一人は広すぎだろ。




カチャ




すると沙和がキッチンから出てきて、リビングのテーブルにコーヒーが入ったカップを置いた。
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