君の声がききたい
「サンキュ」


俺はテーブルの椅子に座り、いれてくれたコーヒーを一口飲む。




――『お腹空いてない?なにか作ろうか?』


髪をゴムで束ねたあと、沙和が俺に聞いた。




――『いや、大丈夫』

――『そお?お菓子とかはいらない?』

――『そんな気使わなくていいから(汗)お前も座れよ』

「……!」


沙和の腕を引っ張って引き寄せると、俺は足で沙和を挟んで座った。




――『テレビつけていい?』


テーブルの上にあったテレビのリモコンを取る俺に、沙和はコクっと頷いた。

俺はテレビにリモコンを向け、テレビをつけると…ちょうどサ○エさんがやっていた。



あ。

テレビの画面に“字幕”がついてる…


テレビ画面の下の方には、字幕の文字が映っている。




――『字幕あって観にくくない…?』




沙和が俺を気遣うように聞く。



――『全然。んなこと気にすんな。』


俺はリモコンを置き、沙和の腹周りを抱きしめながら、テレビを観始めた。



沙和は時より体を動かして、なにやら落ち着かない様子…

俺はそんな沙和を見て、たまにちょっかいを出したりして、沙和の緊張を解いた。






――『しっかし…広いよな、この部屋…』
< 118 / 314 >

この作品をシェア

pagetop