君の声がききたい
“続いては通販のコーナー!”


スーパーで買い物を済ませ、沙和の家にやってきた俺。

沙和は家に入るなり、着替えを済ませて、すぐにキッチンへ入ってしまった…


今はモカとココアとソファーに座り、午後のワイドショーを観ている俺。


だけど、

考えてしまうのは…さっき恵里佳といきあった時の、あの沙和の表情。


あの沙和の顔が…俺の中にずっと残ってしまっている…

最近、沙和の笑った顔ばかり見てたから余計に…





タタタ…




背後から聞こえて来る足音。

ふと、後ろを向くと…エプロン姿の沙和がいた。



――『これ味見してみて?』

「ん…」


沙和が持っていたスプーンを受け取り、口に入れ味見をする俺。




――『これシチュー?』

――『そう!どう?味薄いかな?』

――『いや、ちょうどいいよ』

――『本当?じゃあこの味で煮込むね♪』


小走りでキッチンに戻って行く沙和。



エプロン姿とか…

そんなの聞いてねえんだけど(汗)


沙和は、黒いフリフリ…とまではいかないが……黒いフリルのついたエプロンを着ていた。

女がエプロンしてるのなんて、自分の母親以外見たことなかったな…


でもエプロンていいな。

最近は、エプロンまであんなおしゃれなのが売ってんだ…
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