君の声がききたい
「ハァ…ハァ」


走り続けた体が、そろそろ限界になった頃…

俺は一旦公園に戻ってきて、足を止めた…



こんなに走ったのはいつぶりだろう…

体力落ちたな。

タバコなんて吸うんじゃなかった…




「奏くん!」




向こうから、ハルちゃんが俺に気づいて呼ぶ。



「沙和見つかった!?」

「………」


ハルちゃんの問いに、俺は首を横に振る。



「奏!」


ちょうど修也も戻ってきたらしく、後ろから俺の肩を叩く。



「一応、奏んちの方とかも行ってみたけどいなかった…」

「そうか…」


俺と修也は息を切らしながら、隼人とハルちゃんのもとへ戻る…

バックからタオルを出して、体と顔の汗を拭き、その場にしゃがみこむ俺。




沙和…

どこ行ったんだよ…

どこにいんだよ…



「もう9時になるね…」


ポツリと言うハルちゃん。




「いなくなってから…結構時間がたったな…」

「やっぱり警察に行った方が…」


修也たちの会話に耳を傾けながらも…考えることは、沙和だけ。
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