君の声がききたい
思い出すのは…なぜか沙和が笑った顔や、沙和と過ごした楽しかった日々…


こんな時になに考えてんだよ…とか思ったけど…

こんな時だから‥そんなこと考えんのかもな…




“奏は愛情が薄いよー”


沙和…


“あんまりちゅーとかしないし”


沙和…


“今日は泊まっていくでしょ?”


沙和…


“ご飯いっぱい作り過ぎちゃった”


沙和…



クソ。

クソっ。


唇を噛み締め…拳を力強く握る…



沙和を思い出せば思い出す程…胸が締め付けられる…

心配で心配で…頭がおかしくなりそうだ。


クソ。

こんなことなら、あいつにGPSでも持たせておくんだった…


GPSじゃなくても、防犯ブザーとか持たせておけば良かったんだ…




あれ…

GPS・・・?


ふと蘇る出来事…

俺はまるでスローな手つきで、ポケットから携帯を出す。




「やっぱり警察だよ」

「うん…その方がいいかもな。奏はどう思う?奏…?」
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