君の声がききたい
修也と隼人が、携帯をいじっている俺を不思議そうな顔で覗き込む。

俺は携帯に入っている、アプリの一つをアップロードさせる。



なんで気づかなかったんだよ…

あのアプリの存在を…


俺は以前、沙和と遊びでダウンロードした、GPS機能がついたアプリの存在を思い出した。



携帯画面には…【恋人追跡アプリ】と、表示されていて…

俺は【番号検索】を押し、沙和の携帯番号を入力。

すると…



「!!」


携帯の画面に表示された地図は…大学の最寄りの駅前辺りを表示する。

そして…

沙和の居場所を示す印は…地図の公園らしきマークを指していた。


俺は慌ててその地図をズームにしてみる…



やっぱり…

この公園を指してる…間違いない…


キョロキョロと公園内を見渡す。

けれどこの時間に公園にいる人は少なく、たまっている俺たちが目立つくらいだ…



公園にいるなら…

わかるはずなのに…


でも、GPSはこの公園を指してる……



ん…?


公園内をぐるりと見渡していると…俺の目にあるものが止まった……




便所……


そのベンチから少し離れた場所に、少し大きめに造られたトイレがあった。

公園内は暗いため、そのトイレの灯りが目立つ存在。




「なぁ…」


トイレを見つめながら、みんなに声をかける俺。
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