君の声がききたい
――『奏とずっと一緒にいたい…』


「―――!」


沙和は少し頬を赤くしてそう言った…



俺は沙和から、とっさに目をそらしてしまう。

“照れる”とは、まさにこういうことだ…


俺は「コホン」と、咳をしたあと…沙和をじっと見つめた…

そして…俺はゆっくりと口を開く……







「一緒に住もうか」


「……!」


俺が言ったことに…沙和は驚きを隠せない様子。



「もう…お前をひとりには出来ないから…」

「・・っ・」


沙和は何度も頷いて、俺に抱きついて来る…

俺は強い力で沙和を抱きしめ、沙和に優しくキスをした…





今日の出来事は、

きっと一生忘れない。


あいつらのことは、

一生むかついてると思う。


でも逆を言えば、

こんなきっかけを与えてくれたあいつらに…

少しだけ感謝する。


そう思うと…

ちょっとだけ怒りが和らいだ。




気がつくと…沙和は俺の胸で寝てしまっていて、俺はソファーに沙和を寝かした。

しばらく沙和の寝顔を見ていたら…俺もそのままソファーにうつぶせで寝てしまっていて…

俺の肩には、タオルケットがかけられていた。
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