君の声がききたい
そんなに忙しいんだ…



「まあね〜でも自分で選んだ仕事だし、仕事は好きだから…平気よ」


ニッと笑う紗江子さん。



紗江子さん…確か海外でファッション関係の仕事してんだよな。

どうりで服がオシャレなはずだ…




――『私…ちょっとトイレ行って来る』


スッと立ち上がる沙和。



――『この店トイレないよー。店出てちょっと行ったとこにあったけど…』

――『そうなんだ…ちょっと行って来るね』

「いってらっしゃい」


沙和はカバンを持って、店を出て行った。

俺は沙和のあとを、目で追う…





「…心配?」

「え(汗)」

「ふふ。沙和のこと」

「……ええ、まあ」


やべ。見られてた(汗)



「沙和が“彼氏できた”なんて言うから、慌てて日本に帰ってきたけど…奏くんみたいな心配性の人が彼氏なら、私も心配いらないかな〜」

「え?」

「今の奏くんが沙和を見てる顔見てたら…沙和のことどんだけ好きかなんて・・一発でわかっちゃうもん」


………(汗)

全て見透かされてんな俺…


俺は恥ずかしい気持ちを隠すように、アイスコーヒーを飲む。



「沙和と遊びで付き合ってる奴とかだったら反対しようと思ってたけど…奏くんになら任せられるよ」
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