君の声がききたい
つないだ手を離そうとすると…奏は手に力を入れて離さない。


私はプンプン怒りながらも、ちょっと嬉しい気持ち。




なんか奏…余裕だな。

ドキドキしてんの私だけ?


奏は慣れてんのかな…?

まあ経験は多そうだよね…

モテそうだし…


私も一応経験はあるけど…

多くはないしなぁ…





……って。

そんなこと考えてたら、奏んちに着いちゃった(汗)


奏は私より先にアパートの階段を上る。

私も奏のあとに続き、階段を上った…



前にもこの階段を上ったことがある・・・

階段を上って、奏んちの前には…あの恵里佳って子と、修也くんの元カノがいた。

だからちょっと…嫌な思い出なんだけど・・・


まだ完全に直ってない、足首の捻挫が、ズキッと痛む。





…もう忘れよ。

せっかく今日は、奏んちにお泊まりなんだから。



奏の部屋の前に着くと…奏はポケットから鍵を出して開けた。



「入って…」

――『おじゃましまーす…』


奏の後に続き…そっと家の中に入る。

先に靴を脱ぐ奏を待ちながら、キョロキョロと部屋の中を見る私。




ワンルームだ。

でもきれいにしてる…


てゆうか、物少ない?
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