君の声がききたい
靴を脱いだ奏は、先に部屋に入って行く。

私もヒールを脱いで部屋に入り、部屋中を見渡した…




かわいい部屋…

正直狭いけど、きれいだし…ひとりなら全然いいよね。


あ。ユニットバスだ!

トイレもお風呂もきれいにしてる〜


キッチンもきれい〜

ってゆうか、使ってないでしょ(汗)

生活感ゼロ。





――『なに?見物(笑)』




すると…奏がキッチンにいる私に、タバコの火をつけながら話しかけてきた。




――『きれいにしてんだね。男の人の部屋じゃないみたい』

――『お前が来るから掃除したんだよ』


ドキ



――『そ、そうなんだ…』


恥ずかしい気持ちを隠すように、奏から離れる。


部屋には段ボールがいくつか詰まれていて、

ソファーベッドと小さいテレビしかない。





なんか“明日引っ越します”ってゆう部屋だな(汗)

物が全然ないし。



トン

――『ごめんな。なんか物がなくて落ち着かないだろ?』


私の肩を叩いたあと、奏は手を動かして言った。




――『全然平気。だけど…こんな時に来ちゃって良かった(汗)?』
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