君の声がききたい
「じゃあ話すよ?みんないい?」


「いいよ」

「OK」

――『おっけぃ』

「………」


「奏!返事しろよっ(汗)」



修也の言葉で、一瞬笑いに包まれる。






「あ、ちょっと待って!虹、トイレとか大丈夫?」


修也が、虹ちゃんの顔を覗き込む。



「大丈夫大丈夫。行きたくなったら一人で行けるから…」

「でもここホテルだし…車椅子動かしにくいだろ?」

「平気だよ♪」

「でも…」


「イチャつくなら、話すのやめろよ。」

「なっ…もー奏は〜本当せっかちだなぁ〜」


俺と修也のやり取りで、また笑いが生まれた。



虹ちゃんと付き合いだしてから…

本来の修也が戻ってきたような気がする…


正直、美穂と付き合っていた時の修也は…どこかカッコつけていて‥面白くなかった。

でも今の修也は違う。


見た目のチャラさと、おちゃらけたバカさ。

男にも女にも優しい性格。

ロマンチスト。


修也は昔からそうだった。




一口ビールを飲み、虹ちゃんと顔を見合わせたあと…修也はゆっくりと口を開く。


「…俺・・・」
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