君の声がききたい
「最初に言っておくけど…“どこでもいい”はなしね〜」


俺はエンジンをかけて、とりあえず車を走らせた。




「うーん…じゃあ・・」

「“じゃあ”?」

「とりあえずドライブしてくださいっ!」

「敬語かよっ。はい、かしこまりました」

「ハハハ」


目を細め、肩を震わして笑う虹。

ちょっと緊張がとけたみたいだな…





「この車、修也の?」




「まっさか〜。姉ちゃんの借りたんだよ。1日千円で」

「そうなんだ(笑)この前、電話で話してたお姉さんの車なんだ」

「そうそう。電車より車の方がいいと思ってさ」

「…ありがとう」

「いえいえ♪」


ククと笑う虹。




「ドライブつってもな〜なんか目的ないかな〜…虹さ……どっか行きたいとことかないの?」

「うーん…」

「キミの望みを言いたまえ」

「ハハハ。望み…?」

「3つなら叶えてあげる」

「アラジンに出てくるランプの魔神!?(笑)」

「バレた?」

「アハハ。望みかぁ…しいて言うなら…」

「なに?」


虹はポリポリと頬をかく。




「買い物…行きたいかな。…洋服屋とか雑貨屋とかみたいな。普段めったに行かないから…」

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