君の声がききたい

そういえば…

「ってなわけで…俺と虹が付き合ったわけよ。どーだった?ねぇ、どーだった!
あ!奏、無視すんなよ」


修也の長い長い話がやっと終わった。

沙和や、隼人やハルちゃんは…真剣に修也の話に耳を傾けていたが…

俺は途中から恥ずかしさと、かゆさで耐えきれなかった…


聞きたくないけど、沙和に通訳しなきゃだから、

嫌でも聞かなきゃだし





「修也くんて、ロマンチストなんだね」

「だろ?恋ばな系は俺に任せろ」


修也のあのどや顔。

見ててイラッとする。



「そうゆう、ハルたちはどーゆーきっかけで付き合ったの?なんか二人って、気がついたら付き合ってたよね」


虹ちゃんがハルちゃんにそう言ったあと…沙和に手話で、今言ったことを繰り返し伝えた。



ーー『確か高校の時に付き合ったんじゃなかった?』




「さぁ~忘れた」


沙和の言葉に、照れる隼人。



「じゃあ、私が話しまーす♪」


酔っぱらった雰囲気のハルちゃんが、缶チューハイ片手に立ち上がる。


ーー『どーせ話したいだけでしょ』


呆れ顔の沙和。

ハルちゃんは「えへへ」と笑ったあと、隼人と顔を見合せながら話し始めた。



「私…」
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