君の声がききたい
「俺、手話できないし…話しかけんのは気まずいじゃん。だから、最初はメールからつーことでさ」

「…わかったよ。沙和に伝えとくよ」

「サンキュー、杉山!じゃあ、塚本に聞いといてくれよ」

「うん…」

「よろしくな」


高須くんは、走って行ってしまった。

あたしは高須くんの背中をしばらく眺めたあと…高須くんから目を反らした。




あたしは杉山 遥(すぎやま はるか)高校1

あだ名はハル。



今みたいな光景は、あたしが小学生の頃からまれにある光景。




トントン




誰かがあたしの肩を叩く。

振り返ると…




「沙和!」

ーー『ね~ハル!今日暇?帰りに、駅前に新しくできたアイス屋さん行かない?』


手話で笑顔で言う沙和。




ーー『いいよ!ちょうどよかった…ついでに話があるんだ』

ーー『話?うん、わかった!じゃあ、放課後ね』

「うん!」


沙和は手を振って、トイレに入って行った。





ぽん



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