君の声がききたい
俺の質問に、沙和はちょっと考えたあと…コクリと静かに頷いた。

そしてすぐに返事を打ち、俺に携帯を見せる沙和。




――――――――
【TO】

気を使うというか、

悪いなって思う…

ーENDー

――――――――


沙和は唇をかみしめ、小さく笑った…



「…そっ‥か。じゃあ…さ・・・・」


俺は素早く指を動かして、沙和にメールを打った。





――――――――
【TO】

俺、頑張って手話覚えるよ!

ーENDー

――――――――


「………!!」


俺のメールを呼んで、沙和はただただ驚いている…



トン

そして沙和の肩を叩いて呼び、俺は口をゆっくりと動かした。




「手話覚えたら・・付き合ってくれる?」

「………!」


俺の言葉に、沙和は目を見開いていた…

そして俺から目をそらして、ゆっくりと頷いた…




俺は沙和と別れ、家に帰ると…早速“手話”の勉強。

大学のテストが近いけど…今回はもうあきらめることにした。


大学のテストより…クリアしたいテストがある……


何が何でも…

クリアしたいんだ…
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