君の声がききたい
「そう‥なんだ…」

「まぁ、その特別クラスで手話とか覚えたみたいだけどね。私も沙和に教えてもらったりして、手話の猛勉強したよ。今の奏くんみたいにねっ」

「……う、うるせえ(汗)」

「あはは」


笑いながら、缶ジュースを飲むハルちゃん。




「だけどお母さんが亡くなってから、沙和…お姉ちゃんと二人暮らしだったからさ。色々大変そうだった」

「だろうね…」

「でも沙和は、いつも明るかったなぁ。弱音はいたりしたとこなんて、みたことないよ。逆にそれが見ててつらかったけど…」

「…………」


気を使っているように笑う沙和の顔が、目に見えるように浮かぶ…

沙和・・結構つらい人生だったんだな…




「中学は…?沙和と一緒??」


「うん!中・高って、ずっと沙和と学校一緒!」

「マジで?」


仲良いな…




「中・高は、沙和モテたよー。何人か付き合った人いたもん」

「……ふーん」


モテたんだ。

まぁ、あのルックスじゃモテんだろーけど…

ちょっと面白くない…




「沙和は見た目があんなだし…性格だっていいじゃない?だから男が寄ってくるんだけどさ…長続きしないんだよ」




「…なんで?」

「……やっぱり・・沙和の耳が原因なんじゃないの?」

「―――!」
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