HERO
眠気なんて、一気にどこかへ行ってしまったみたいで。



今は私を睨んでる。


そんなわんこの顔で睨まれても、全然怖くないんだけど。



「シャワーお先に。浴びてこれば?」


「美亜さんなんて...美亜さんなんて...」


「何よ、言ってみなさいよ」


「何でもない!シャワー浴びてくる」



プンプン怒りながらお風呂場へ向かうわんこ。



嫌いだ、って言いたいんでしょ。


どうせ思ってないくせに。



きっとわんこは、そういうことを思わない人だ。


きっと。



まだよく知らないけど。


きっと、いい人。
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