HERO
わんこがお風呂から出てきたとき、私は眠ってしまっていた。


きっと起こさないようにしてたんだろうけど。



ほら、彼馬鹿だからさ。


きっと足元見てなかったんだろうね。



テーブルに足を引っ掛けたらしく、大きな物音がした。



それで目が覚めた。



「ごめん、起こしちゃった」


「んー」



ゆっくり目を開けると、申し訳なさそうに私を見るわんこがいた。



髪が濡れていて、ふわっふわの髪は今はぺちゃんこだ。


それでもやっぱり、顔が、というか目がわんこだ。



そんなわんこを見ていると、ケータイの着信音が鳴った。
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