HERO
恐る恐る、目の前にあるソレを手にして、じっと眺めてる。


駄目だ、私、こういう焦れったいのは嫌いなんだ。



「もう待てない」



その言葉で、私を見たわんこ。


その隙にソレを奪って、抵抗するわんこに無理やり付けてやる。



恥ずかしいんだろうな、そりゃそうか。


顔を両手で覆ってるわんこ。



でもそれじゃあ、意味がないでしょ。



「手、外してよ」


「無理、もういいでしょ?」


「駄目。顔見せなきゃ許さない」



しばらく黙ったわんこだけど、ゆっくりと手を外す。



これは、やばい。


かわいすぎる。
< 143 / 441 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop