HERO

「で、何の話でしたか？」


「ああ、どうしてとーまはここで働いてるのかって話」


「そうでしたね。どうして...ですか。特に理由はないです」



おいおい、君は理由もなくこんなヘンテコな場所で働いてるのかい。


って、私だって別に理由なんてないんだけど。



ただ、辞めるには次のピンクを見つけなきゃいけないとかいうルールのせいで辞められないだけで。



「じゃあ、わんこは？わんこはどうしてここで働いてるの？」


「わんこ？ああ、洋一のことですか」



ああ、とーまは私がわんこって呼んでるのを今初めて知ったのか。


なのに、よくわかったな。