HERO
「と、ととととととーま!」



あっけなく、って言うと何だか名残惜しいみたいになるからやめよう。


意外にも早く、とーまの抱擁から解放されるときはきた。



イエローくんは、あんぐりと口をあけて私たちを見てた。



「ああ、イエロー。案外早く終わったのですね」


「と、ととととととーま、な、何してるの?」



どんだけどもってんだ、イエローくん。


そんでもって、誤解を招くようなことするな、とーまよ。



さっきまで私の頭を撫でていた指が、今度は私の髪をクルクルと弄んでいる。
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