HERO
イエローくんがいなくなって、また、とーまと二人っきりになる。


一つ言わせてもらうと。



近いのよ、いつまでも。


さっきはいろいろあって抱き合える距離にいたけれど、今は別にその必要はないのに。



ソファーに座る私の隣、本当にすぐ隣にとーまは座ってる。


もはや近すぎて、肩も、腕も、足も、とーまに触れている。



「ねえ、とーま」


「なんでしょうか」


「こんなに近い意味、ある?」


「さあ、どうでしょうね」



ああもう、本当にムカつく人だ。


でも、嫌いじゃない。
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