HERO
「だからめちゃくちゃにしてやりたい、俺と同じだって思い知らせてやりたい、ぶっ壊してやりたい」



それはもはや、狂気。


何よりも怖かった。



目が、あいつと同じで。



「違う!私はあんたと同じなんかじゃない」


「わからせてやるよ、お前がどんな女なのか。金なんかもらわなくたって、ヤれりゃそれでいいんだよ、本当は」



息が苦しくなって、頭も痛くて。


昔の記憶と重なって、気持ちが悪い。



抵抗なんて無駄なんだ、こういうときって。


そんなの知ってる、昔もそうだった。



だって私は弱い女で、相手は力の強い男だから。
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