HERO
「ねえ、わんこ。助けてくれるって言ったよね...」



こくりと頷くわんこ。


助けてよ、全力で。



私は、わんこを前触れもなく押し倒した。


驚いて目を丸くしてるわんこ。



「美亜さん!」


「助けてよ...。私とヤって、それでお金ちょうだい、そしたら...きっと、ブルーとは違う私だって思える...」



そんなの、なんの救いにもならないなんてわかってた。


そんなことしたって、ブルーとは違うなんて思えるわけないってわかってた。



でも、どうしたらいいかわからないの。



どうしたら、この心の穴が埋まるのか。
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