HERO
走ってその場から逃げると、当然のようにわんこは追いかけてきた。


私、足があまりにもおそいから。



追いつかれて、腕を掴まれて動けなくなる。



「美亜さん!」


「離して、帰るの!」


「どうしたの、さっきまでやる気だったじゃん」


「やらないの、帰るの、離して」



あんなくだらない理由で、こんな仕事しなきゃならないなんて。


バカバカしい。



大体、さっきの感じからするとわんこはあの理由を知ってたっぽい。


わんこもわんこだ、馬鹿じゃないの、あんなの引き受けるなんて。
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