HERO
「離さない、絶対離さない」


「嫌!誰か他の人に頼んでよ」


「今日はみんな仕事だよ」


「じゃあ私の代わり、見つけりゃいいでしょ。私の代わりなんていくらでもいるんだから」



私を見つけたように、また他の人を見つけりゃいい。


大体、セイラって人の代わりは見つけてあげたくせに、どうして私の代わりは見つけてくれないの?



こんなの、不公平だよ。



「美亜さんの代わりなんて、いるわけないだろ」


わんこは、怒ってた。



だって、腕を掴む力がさっきより強い。


声も、荒立ってた。



そして、真っ直ぐに私を見てた。
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