HERO
「何だ、もう起きたのか」


「美亜さんのピンチを、一日に二度も救えないなんて、ヒーローでも何でもないからね」



本当はものすごく辛いくせに、そんなこと言っちゃって。


ほら、ブルーだって呆れてるよ。



鼻で笑って、私を解放した。



「隙だらけのこいつを、せいぜい頑張って守ってみろよ」



ブルーは絶対、馬鹿にしてる。


そうだよ、さっきのわんこの言葉は馬鹿みたいだよ。



でも、私は嬉しかったの、だから馬鹿にしないで。


ブルーはそのまま、外へ出ていった。



その背中を、ただただ見つめてたわんこと私。
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