HERO
「ごめん...これからは、絶対に、何があっても守るから...」



そう言って私を抱きしめるわんこ。


どうしてここまでしてくれようとするのか、その理由はわからないけど。



でも、嬉しかった。



「...わんこ熱い、寝てなきゃ」


「ごめん...美亜さん...」


「大丈夫だから、とにかく横になって」



私のその言葉とは裏腹に、わんこは私をより一層強く抱きしめる。



こんなにも。



こんなにも、誰かに強く抱きしめられることなんてなかった。


こんなにも、誰かに抱きしめられて自分は幸せだと思うことなんてなかった。



私は、わんこに救ってもらったんだ。
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