HERO
「違うよ」


「え?」



予想外の言葉に、今度は私がわんこをまじまじと見た。


そして、にっこりと笑いかけてくるわんこ。



何笑ってんの、ちょっと可愛いんですけど。



「美亜さん、俺のこと好きになるんでしょ?だから大丈夫」



好きになるんでしょ?って、わんこが好きになれっていったんじゃん。



しかも何でそんなに自信満々なわけ?


しかも大丈夫って何?



悔しいけど、多分私は、わんこを好きになる。


馬鹿で、少年みたいで、たまにヒーローで、ヒーローじゃないときもあって。



そんなわんこを、きっと私は好きになる。
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